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HSPと仕事

HSPの適性職業【私の転職経験】

こんにちは。ゆあです。

HSPの方で仕事について悩まれている方は多いですよね。

わたしも仕事に悩み、10年前に一度転職しています。

今回はわたしの転職経験について、まとめてみたいと思います。

わたしは作業療法士でした

わたしの前職は作業療法士です。

作業療法士とは…

リハビリテーションの分野における専門職の一つです。作業療法士は対象者の「作業」に焦点を当てた治療・支援を得意としています。対象者が自分らしく生き生きとした生活を送ることができるように、様々な作業を通して心と体を支えていく職業です。

小学生の時は「人の役に立つお医者さんになりたい!」と思っていて、中学生の時は「医療系の仕事がしたい」と思っていました。

高校生の時に、職業体験で病院に見学に行く機会があり、初めてリハビリテーションの専門職を知りました。

「作業療法士は患者さんに寄り添える素晴らしい仕事だ!」と感じ、大学の作業療法学科に進学し、国家試験を受けて作業療法士になりました。

そして、リハビリテーション専門職が100人近くいる大きな病院で3年間働いていました。

HSPは医療関係の仕事に向いている?

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人の痛みに敏感で共感力の高いHSPの人には、医療関係の仕事が向いていると言われています。

人を助けたい気持ちの強いHSPの人にとって、「人の悩みを解決する仕事」は適職だそうです。

また、人に喜ばれる仕事ですので、共感力の高いHSPの人にとって非常にやりがいがある仕事だそうです。

確かに私も「人の役に立ちたい!」という思いが強かったです。

わたしが作業療法士が続けられなかった理由

では、なぜHSPにとって適性職業と言われている医療職の作業療法士を私は続けられなかったのか、自分なりに分析してみました。

人の痛みに共感しすぎた

共感力が高く患者さんを思いやれることはHSPの長所ですが、共感しすぎて、うまく切り替えられないと辛くなってしまいます。

リハビリを担当する患者さんの病気は様々です。

骨折などの整形外科の患者さんは、退院する頃には元の生活が送れるくらい元気になって、「先生ありがとう!」と退院されることが多いです。

ですが、脳梗塞などの患者さんは、手足に麻痺が残ったり、話しにくくなったりと後遺症が残ることがあります。

リハビリをしても、元と同じようには回復できないことも多いです。

私は、脳梗塞で右手足が麻痺してしまった50代女性の患者さんに「先生、私は今までタバコもお酒も何も悪いことをしてこなかったのに、どうしてこんなことになったの?」と泣きながら言われた時、何も言えませんでした。

クモ膜下出血で車椅子での生活になってしまった40代女性患者さんの小学生の子供さんが「お母さんが変わってしまった」と悲しそうな顔をしていた時、何もできませんでした。

脳梗塞などの症状の一つに感情失禁と言う「感情の調節がうまくいかず泣いたりする現象」があります。私は、感情失禁で泣いている患者さんにつられて泣いてしまい、先輩の作業療法士に「療法士失格」と言われたこともあります。

10年前のことですが、当時の胸の痛みや苦しさは、今でもありありと覚えています。

人の痛みに共感するのは良いのですが、うまく切り替えられないと、このような胸の痛みや苦しさが溜まっていきます。

ずっと勉強し続けなければならない

医療の世界は日進月歩、常に勉強が必要です。

私は勉強することが好きだったので、それは苦にならないと思っていました。

日曜日や平日の夜などに様々なセミナーや勉強会があるのですが、自分で申し込んで参加していきます。

私もできるだけ積極的にセミナーなどに行くようにしていたのですが、仕事で人とたくさん接して疲れるので、休みの日は家でゆっくりしたいという気持ちもありました。

でも、周りには勉強熱心な同僚が多く、「私は全然勉強できていない」と感じることが多かったです。

周りから「あいつは全然勉強していない」と思われているんじゃないか、「私はダメなやつだ」などと考えてしまうこともありました。

作業療法士は技術職のようだった

私は高校生の時に進路を具体的に考えるときに、「自分にはノルマがある営業の仕事や、自分のアイデアやスキルが重要な開発や設計の仕事はできないだろうな」と思っていました。

高校生の頃は自分がHSPだと知りませんでしたが、自分の苦手なことは何となく分かっていました。

ノルマがあったり、成果を上げなければならにような仕事はプレッシャーに押しつぶされそうになるし、人と技術を争ったり、自分の技術・能力が仕事の成果に大きく影響するような仕事は無理だろうと思っていました。

作業療法士はそういう仕事ではないと思っていたのですが、実際は技術や能力が大事でした。

私の働いていた病院では一人の患者さんに対して、一人の作業療法士が担当としてつきます。

そして、自分でリハビリプランやメニューを考えて、実施していきます。セミナーや研修で学んだことを活かしてメニューを立てたりします。

リハビリは患者さんのベッドの上でやることもありますが、ほとんどはリハビリテーション室と呼ばれる大きな部屋で行っていました。

周りには同じようにリハビリしている先輩や同僚がいたので、自分がどんなメニューをしているのかは見られます。

私は自分が勉強不足だと感じていたこともあり、「あいつは同じようなメニューばかりしている」「あんなメニューに意味がない」などと思われているんじゃないかと不安になることがありました。

100人近くのリハビリテーション専門職が働いていたので、他の人の目が気になったり、自分と他の人を比べやすい環境だったんだと思います。

「自分の技術がないせいで、この患者さんは良くならないのかもしれない…」と思ったこともありました。

わたしは作業療法士に向いてなかった?

当時はなぜ仕事が辛いのか分かりませんでしたが、10年経って、客観的に考えると、上で述べたような結論になりました。

まとめると、

「人の痛みに共感しすぎて切り替えられなかったこと」

「ずっと勉強し続けることが必要で、できていない自分に負い目を感じていたこと」

「作業療法士には技術が必要で、自分は技術不足だと感じていたこと」

では、私は作業療法士に向いていなかったのでしょうか?

10年前の私は「私には作業療法士は向いていない」と思って、全く違う職業に転職しました。

ですが、退職するときに、「あなたのような優しく患者さんに寄り添える療法士が本当は必要なんだよ」と言ってくれた先輩がいました。

もちろん技術も大切ですが、患者さんに共感して、「患者さんのために何とかしたい」と考えるのが医療従事者の基本だと思います。

共感力の強いHSPが医療関係の仕事が向いているというのは事実だと思います。

私も自分が作業療法士に向いていなかったわけでは無いと思っています。

お年寄りの患者さんと接したり、頼りにされたりするのは嬉しかったですし、「先生のおかげでげんきになったよ」と退院される患者さんの笑顔を見て、やりがいを感じたこともありました。

HSPは職業よりも職場の雰囲気や周りの人が大事

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こちらの記事でみさきじゅりさんの「HSPは職場の周りの人や雰囲気に大きく影響を受けるので、同じ職業でも職場の雰囲気が違えば、その仕事が合っているかどうかも変わってくる」という考えを紹介しました。

職場の環境が違えば、私はまだ作業療法士として働けていたかもしれません。

私が働いていた病院は以下のような雰囲気でした。

100人近くのリハビリテーション専門職が働いていたので、他の人の目が気になったり、自分と他の人を比べやすい環境だった。

ほとんどが若い療法士で、周りを気遣ったり、フォローしたりするような年長者がいなかった相談できる人がいなかった

勉強熱心な先輩が多く、自分より勉強していない後輩を見下すような雰囲気だった。

理学療法士が作業療法士を見下したり、一般病棟の療法士が回復期病棟の療法士を見下すなど、悪口や不満を言う人が多くギスギスした雰囲気だった。

HSPの人にとっては、あまりいい環境とは言えませんね。若い人が多くて、仲のいい人たちとバーベキューをしたり旅行に行ったり、楽しいこともたくさんあったのですが…。

もし全然違う業種に転職するのではなく、病院を変えて、自分の合う環境を見つけられていたら、私も作業療法士を続けられていたと思います。

転職してみて

私は今、医療の専門職とは全く異なる事務の仕事をしています。

今の仕事は自分に合っていると思っているので、転職したことに後悔はありません。

ですが、たまに病院で療法士がリハビリしているところを見ると、羨ましいような気持になることがあります。

医療の世界は日進月歩なので、一度現場を離れると元に戻るのは結構大変です。

私のように10年も現場から離れ、何も勉強していない状態では、最前線に戻るのは難しいです。

なので、今、医療従事者の方で仕事が向いていないかもと悩んでいる方は、一度環境を変えてみることをお勧めします。

それでも辛いなら、全然違う業種に転職すれば良いと思います。

まとめ

今回は私の転職経験を紹介しました。

HSPの適性職業について考えることは、本当に難しいですが、「HSPは職業よりも職場の雰囲気や周りの人が大事」ということは身をもって経験しています。

私は転職してよかったと思っています。

辛い環境のままで無理し続けて、心が壊れてしまっては悲しすぎます。

一人でも多くの悩んでいるHSPの方が自分に合う環境を見つけらると良いなと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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